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こんにちは、佐野です!

 

先日紡績メーカーさんとの打ち合わせの際、とても面白い資料を見せて頂きました。

それはなんと、、

絨毯用のカシミヤ!!

 

とても新鮮で感動いたしました。

今日はそんなお話です!

 

 

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衣料用途以外の糸

よく糸屋さんから、“これは資材用で~”という会話が出てくることはありませんか?

ポリエステルなどの長繊維では特に多いんじゃないかなって思っております。

資材用と一言で言っても、車のシートだったり、シートベルトだったり、さまざまな用途があり、アイテムに合せて糸の設計も行われています。

私たち衣料に携わる人間からすると、“洋服以外の用途で使われる織物や編み物”とくくってしまうとシンプルかもしれません。

 

用途に合わせた糸の設計、もっと言うと撚り方だったりそもそもの原料だったり、
私たちの作るニットで言うと一筋縄ではいかないため、資材用の糸はあまり目にする機会はありませんでした。

そんな中今回見せていただいたのはなんと絨毯用のカシミヤ。

絨毯も衣料でないことを考えると、それに使われる糸は資材用、という捉え方になるんですね。

 

また一つ勉強になりました。

 

じゃあ普通のカシミヤと何が違うのか!?

次項ではここに触れていきたいと思います。

 

カシミヤ原毛の種類分け

今回見せて頂いたカシミヤは紡毛紡績で作られておりました。

糸メーカーさんによると、紡毛紡績メーカーさんも私たちは普段織物用やニット糸を作られているメーカーさんとばかりお話をしておりますが、
絨毯などの資材用専門に紡績をされているメーカーさんも多数存在しているとのことでした。

 

紡毛紡績ですので、細かな違いはあれど、
基本的な機械構造は同じはず、、、

では今回のカシミヤと普段見ているカシミヤとは何が違うのか。

決定的な違いは紡績前の原料でした!

 

簡単に言うと、絨毯は丈夫でなければならないため、
太く粗い原料を使われることが多いそうです。

カシミヤで言うと大人のカシミヤヤギの毛でしょうか。

また、当然色展開もなく、唯一ストックしているのは原色のカラーとのこと。

ホワイトカシミヤは使わないそうなので自然なブラウンでした。

 

反対に、衣料用途では年々柔らかいものが求められる傾向にあり、
ベビーカシミヤをはじめ柔らかい毛質の原料やホワイトカシミヤを使われることがほとんどです。

 

なるほどな~と思って次第です。

画像で伝わりにくいのですが、少し分けて頂き編んだ編地がこちらです!

ニット用途でないので当然斜向しています。

また、驚きだったのが1本がなんと4kg巻き。

写真撮っておけばよかった―!!!

 

 

まとめ

以上、絨毯用のカシミヤに出合ったお話でした。

ニット業界に生きていると、柔らかい素材が求められ、粗い原料から作られた糸は粗悪品、と思われてしまうことがあります。

確かに柔らかい=動物の産毛、だったりするので希少価値から値段も高くなりますので、
一概には言えませんが、“原料の良さ”=“希少価値や柔らかさ”だけではないなと改めて実感した次第です。

アルパカやモヘアに関しても、アダルトはほとんど使わず、ファインやベビーが既に主流であると聞いたこともあります。

資材用ではまだアダルトの原料も存在しているようですので、ヴィンテージセーターからの復刻企画など、
昔のものからイメージするニットづくりには、もしかしたらヒントがあるかもしれませんね、、、、

 

それではまた次回!

記事を書いた人

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佐野 貢士

ミリタリーをはじめ、ヴィンテージのセーターとロックンロールが大好きです。
ギター歴15年、編み物歴は10年になります。
このブログでもニットとロックを絡めた内容で書いていきたいと思っています。
宜しくお願いします!

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