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いよいよ冬の気配を感じさせる立冬に入り、高地の紅葉から初冠雪と、歴の上ではこの日から立春までを冬とするとある。冬の到来を迎え、今年も残すところあと2ヶ月を切り四季の移り変わりを足早に感じる今日このごろ。
おはようございます。丸安毛糸の福田です。

銀座にあるファストファッション(○○○ロ)へ 久しぶりに店内をくまなく、、、するとありましたね。うず高く積まれたカシミヤのセーターたち。今回はそんなファストファッション、カシミヤのお話しです。

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中国製が主流だったが、今はアイテムの大半がカンボジア製で、風合いがすこぶるほど良くなっている。以前の中国製は、これカシミヤっと思うほどだったが、縮絨風合い出しのレベルと、原毛の選別にもかなり意識しているように思う。ここまで進化しているとは、はっきり言って驚きである。

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実際にメンズMサイズを計量してみると(222g)12GG編み機で番手2/26~28で、ベーシックなセーターであれば、ほぼ業界基準である。
では、実際にファストファッションのカシミヤと、普段我々がイメージ流通しているカシミヤと何が違うのか? もちろんのことコストにあるが、原毛の調達から、作る過程まで、より安い人件費をもとめ原産地を転々と変えているところにもある。例えば、カシミヤ原毛の等級は、1級品~9級品に選別されていて、もっとも高価な1級品は14ミクロン前後ともっとも細く、繊維長は30~40mmと長く、ピュアな産毛がもっとも多く含まれ、毛艶があってヌメリ感があるものが1級品で、逆に7~9級品は17~19ミクロンともっとも太く繊維長が短く、どちらかと言うと少しがさつく風合いである。写真ブルーのセーターが某イタリア紡績のカシミヤ(写真だけだとわかりづらいですが)等級の違いがわかりますね。ただ紡績によっては、撚糸下撚りをあらかじめ強くしておくケースもある。繰り返し着用することで、風合いが出て体になじんでくる。

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そんなことを思いながら、ファストファッションの低価格の原価率を考えてみると、原毛を中間ぐらいの等級で大量仕入、大量生産、低賃金の原産国で組み立てれば、なるほど具体的な数字がイメージできますね。ようするに誰でも気軽に買えるカジュアルなカシミヤ、単純に数字の積み重ねなんですが。ちなみに私が思うカシミヤとは、もっと深いストーリーがそこにあると思う『数字のストーリーではないですよ』(笑) 以前、訪問したイタリア紡績では糸を作る職人のこだわりスピィリッツ親子代々90年以上にわたりずっーとカシミヤに携わってこられた職人。 例えば、世界に先駆け2/28番手を世に出し12GGが主流になったお話しや、毎年自然の気候変化から左右される産毛、その状態を見極め、いちばん良い状態になるまで熟成エイジング工程(梳き採った産毛の緊張ストレスを解きほごすため、温度、保湿管理された部屋で一定期間寝かせることで、本来の膨らみと、しなやかさ、特性を引き出すことができる)そこにはゆるぎないモノ作りの伝統を感じとることができます。

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まとめ

カシミヤ山羊1頭から年間に採れる産毛はたったの約150gです。1頭でマフラー1枚、2頭でセーター1枚、アウターのジャケットコートであれば、6頭から8頭必要になります。そんな貴重な自然の恵みを大切にし、代々受け継がれるカシミヤのモノ作りがそこにあるように思います。 紡績から編地を作る工程、リンキングミシンで、はぎ合わせる工程、そして風合い出し縮絨工程も、その流れ沿ったレシピが存在し、ひと手間ひと手間かけることで、ふっくら愛情たっぷりのカシミヤ本来の姿になるんだと思います。あなたは、ファストファッションのカシミヤを選びますか? それとも愛情たっぷりのカシミヤを選びますか?

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