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こんにちは、佐野です!

 

以前ミリタリーセーターの古着を頂いたのですが、うまいことサイズが合わず、このまま資料として置いといても良いなと思ったのですが、
何か使い道はないかと考えてみた結果、、、そうだ!解体して糸の番手を調べてみよう!という思いに行きつきました。笑

 

あらゆるデザイナーさんやコレクターの方々が古着を解体してルーツを辿るといった記事を度々拝見しており、
憧れる気持ちもあったのですがなかなか自分に合った方法が見つけられず。。。

しかし今回!!ニットの糸屋さんらしく糸の解析ができれば、ヴィンテージのセーターを再現したいという企画が上がった際の参考になるのではと思い、
思い切ってセーターにはさみを入れてみました。

 

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解体したセーターはこちらです

 

古着屋さんでもよく目にするアメリカ軍のリブセーター。

定番の肩と肘にパッチのついたタイプです。

防寒性を追求した結果、ぎちぎちなつくりになっているそうです。

袖が長いことも、袖口を折り曲げて着用することを想定したつくりだそうで、
袖口の編み出しから約15cm程度はかなり度目が詰んでおりました。

 

、、、このセーターを、、解体しちゃいます!

 

はさみをいれる!!!

はい!!もったいないとかこのまま置いておきたいとかいろんな感情が芽生える中、後輩に手伝ってもらいグサッとはさみを投入致しました。

今回の目的はここから糸をほどき、番手を調べると共に本数取りやゲージまで追求できたらと。

次の項にてまとめてみます。

 

糸の詳細はこんな感じでした!

早速ほどいてみると、、、まず初めに2本取りであることがわかりました。

ほどいた状態はこのようにラーメンの麺のようなループの癖がついており、
こちらをアイロンセットし直してストレートな状態へと復元します。

双糸になっている状態からさらにほどくと、単糸の状態も確認することができました。

下撚りは比較的甘め。かつ見るからに繊維の一本一本は粗い状態が確認できましたので、おそらく以前まとめたラスターウールのような太くしっかりとした原毛を使用しているのだと思います。

意外だったのが、おそらく梳毛紡績であるということ。

何となく昔のセーターって勝手ながら紡毛のイメージが強かったのですが、
軍物であることなどを考えると、耐久性重視の機能、生産効率や糸の強度など含め、諸々の理由から梳毛が採用されたのかなと推測いたしました。

 

そしてそして、ここから番手の計測に入ります!

こんな状態の糸の束を作りました。

電子量りで10gになるまで糸を束ね、長さをはかります。

10gに到達した状態で長さをはかると1本148cm、48本となりました。

結果、このような計算式が生まれました。

 

・148cm×48本=10g

・合計すると長さは7104cm

・km/kgに換算すると7.104km=1.0kg

1kg=1kmで1/1というウール番手の計算式にあてはめると、、、

→約1/7上がり!!

 

加えて、今回束ねた糸は双糸になっていたため、
2/14程度の糸である事がわかりました。

 

本当は100g~300gぐらいまで量れるともう少し正しく解析できるのですが、、、
今回はアバウトで2/13~2/15ぐらいという仮説を立てましたが、梳毛紡績の上がり番手の事を考えると2/14ぐらいが妥当な線かなと思っております。

 

以上をまとめますと、

・2/14の2本取り

・5G~7Gクラスの2×1リブ

・成型は難しいと思えるほどの度詰で編立

というところまでたどり着くことができました!!

 

まとめ

以上、ミリタリーセーターを解体してみた!でした!

なんだか楽しくなってしまい、、、もったいないのですが、機会があればまたチャレンジしたいと思います。

今回は糸についてまとめましたが、縫製の仕方、縫製に使用している糸、時代背景から考える機械設備、などなどまだまだ追求できそうなポイントもたくさんありますので、
今回解体した資料は大切にしていこうと思います。

冒頭でも述べましたが、ミリタリーセーターを再現したい!という企画が上がりましたら、糸選びの際は是非参考にしていただければと思います。

最後に、、今回はあくまでも私個人の推察でまとめた記事になりますので、全然違うよ!などありましたお知らせください!

 

それではまた次回^^

記事の内容やニットに関することは、お気軽にお問い合わせください

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佐野 貢士

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記事を書いた人

ミリタリーをはじめ、ヴィンテージのセーターとロックンロールが大好きです。
ギター歴15年、編み物歴は10年になります。
このブログでもニットとロックを絡めた内容で書いていきたいと思っています。
宜しくお願いします!

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